Excite エキサイト : 社会ニュース 携帯使用中の交通事故半減 改正法施行後5万人摘発
警察庁によると、昨年11月と12月に発生した携帯使用中の交通事故は、前年同期比48・7%減の217件。死者は6人から4人に減少、負傷者は同53・2%減の275人になった。 このニュースを読んで、「携帯電話を規制したら、携帯電話を使用したことによりおきた事故が半減した」と、思った人がいるかもしれませんが、そうではありません。 別の記事によりますと、 Excite エキサイト : 社会ニュース <携帯使用中事故>昨年11月後、半減 警察庁まとめ 警察が東京、静岡、徳島の3都県95カ所で施行前後の運転中の携帯使用を定点観測したところ、東京で2.9%から0.7%▽静岡で1.8%から0.4%▽徳島で1.9%から0.4%まで減ったという。 つまり、定点観測の結果、「運転中に携帯電話を使用している人」は、おおむね規制前の1/4になっているわけで、それなら、「運転中に携帯電話を使っていておきた事故」は1/4にならなければいけません。 それが半減しかしていない。なぜでしょう? 簡単な話で、「運転中に携帯電話を使っていておきた事故」というのは、単に「事故を起こしたときに携帯電話を使っていた」だけのことで、必ずしも「携帯電話を使っていたので事故を起こした」わけではないのです。 ですので、規制後も携帯電話を使い続けている人はおそらく「安全運転意識」が低いために、事故を起こしやすい人たちなわけで、それがこの1/4と1/2の差になると考えられます。 逆に、「規制後は電話を使わない」人たちも、携帯電話の使用の有無にかかわらず事故を起こす可能性はあるわけで、「携帯電話を使用していなかった」事故が、増えている可能性も否定できません。 「携帯電話を使用していると事故が起こる」という因果関係が完全であれば、今回の規制で「運転中に携帯電話を使っていておきた事故」が減って、「全体の事故件数」は、同じだけ減らなければなりません。逆に、「全体の事故件数」が、「規制を行わなかったと仮定した場合の予測」よりも減っていることを以って、はじめて「規制が有効」であったという結論が出ます。 規制自体は意義のあるものだと思いますが、その検証は正確に行わなければなりません。 「統計」はしばしば誤解を招くし、それを正しく解釈することで、はじめて統計は生きてくるものです。記事に記されているのと同じだけ、全体の事故件数が減っていることを祈りましょう。 先の「性犯罪者の再犯率」もありますが、どうして警察の発表はこうも誤解しやすい使い方をするんでしょう.....
by flight009
| 2005-02-17 22:51
| マスコミに思うこと
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