flightさんへの手紙山紫水明 angler823氏
「土日にはコメントできません」と言っておいて、なぜかその土日に「私への手紙」を書く人がいたので、コメントはやめてトラックバックします。 私はもう、釣りには行かないかもしれません。 なぜかというと、この方の言われるには、「釣りは生き物で遊ぶこと」なんだそうです。 それは、狩人として獲物をとることとは違う、単なる遊びなんだそうです。 だから、「狩人の掟」を当てはめることは無理なんだそうです。 猫をエアガンで撃って遊ぶのは、許せないらしいです。 鳥をエアガンで撃って遊ぶのも許せないらしいです。 鹿をエアガンで撃って遊ぶのもゆるせない...のかな? 最後まではっきりした答を言ってくれない人なんですけど。 でも、魚を針で引っ掛けて遊ぶのは許されるらしいんです。 要は、この人にとっては、「魚」の命は、哺乳類や鳥の命と違って、もてあそんでもかまわないモノなんだということ。それは、彼自身が気づいてはいたんだと思います。でも、このあいだまでは、私の記事へのコメントで、 私も生命の重さを、種類によって変えて考えているんですね。 なんてことをおっしゃってました。だから、自分も議論してましたが、意味の無いことだったんですね。もっと早くに、「魚の命は他の命とは違うんだ。それのどこが悪い。」と、表明してくだされば、こんな無駄な議論はしなくて済んだのに。 自分はこの変化を見て、「開き直り」と表現しました。それを撤回するつもりはありません。 世の中にはいろいろな倫理をもつ人がいます。動物愛護の観点から一切動物を食べない人もいますし、彼らから見れば自分は十分「野蛮人」なんでしょう。 だから、魚の命を別格に扱うことを非難するつもりはありません。「最低限の倫理」法律もそうなってますし。「魚の命はホニュウ類や鳥類とは違う」と、はっきり宣言して釣りに行くなら、何も言いますまい。 ただ、古来から殺生を生業とする狩人にも、狩人の倫理があります。その「倫理」に、己を縛り、律しようと、せめて努力し、悩むのが人というもの。その一例としてあげたのが、C.W.ニコル氏のエピソードです。 私は魚の命を別とは考えない、angler823氏は別と考える、それだけのことなんです。 これ以上の議論は必要ありません。宗教論争になりますから。 ただ、私はもう釣り人に敬意を払うことはできないような気がします。 自分の周りの釣り人には、自分の楽しみのためだけに魚を傷つけることを肯定する人はいません。それはそれである種の「申し訳なさ」を感じつつも、「狩人」としての「倫理」をもちつつ、生き物を食べることの「業」もわきまえつつ、魚を釣り、食う人たちですから。 で、彼らは、フィールドの魚が減ってきたと感じればどうするか。 釣るのを控えます。 必要と思えば、やめます。 キャッチアンドリリースを「免罪符」に、釣ったりはしません。それは、彼らの倫理ですから。 実際、なぜか釣りに行かなくなっている人がいます。理由を聞いたことはありませんが。 先日、「立ち入り禁止」の区域で釣ったり、「密漁」する一般の人たちがTVで報道されていました。こんな人たちはごく一部であると思っていました。それは、自分の周りの釣り人を基準にしていたからでしょう。でも、この人と議論してゆくうち、もしかしたらそんなことはないのかもしれないと感じるようになりました。 もう、私はつりを「良い趣味」とは申しますまい。あえて聞かれれば、「悪い趣味」だと答えましょう。釣りに行くことも無いでしょう。 彼にはすでに言ったことですが、「狩人の掟」を無視して、自分で食いきれない魚を取る釣り人たち、自分たちで自分たちを律する規制もしてこなかった釣り人たち、逆に、「キャッチアンドリリース」で肉食魚をあえて残す釣り人たち、これらの積み重ねが今の「釣り」のフィールドを作ってきたのではないかと、重ねて問いかけます。 ここでまた、古来の人々の知恵の結晶である「掟」を無視するなら、釣りは滅ぶかもしれません。「狩人」としての「釣り」が、「遊び」としての「釣り」に、滅ぼされるということです。 (ここでいう「狩人」は、職業的な「狩人」ではなく、「狩人」のこころを受け継ぐ人たちのことをさすことは言うまでもありません。) 私は、「遊び」としての釣りはこれからも、今後も支持しません。 「食わない命を殺してはいけない」 この意味をもう一度考え直すべきではありませんか?
by flight009
| 2005-02-20 11:57
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