民意と官意と大きな声 ~外来生物法のパブリックコメントから~(9)

民意と官意と大きな声 ~外来生物法のパブリックコメントから~(8)の続き

最近、追加のペースがいっそう遅くなって申し訳ないです。公私いろいろありまして...
申し訳ないと思いつつ、続けるだけは続けておりますのでよろしくお願い申し上げます。

さて、全国内水面漁業連合会の橋本氏が、続いて意見します。
橋本氏はきっぱりと、「一尾たりとも日本にいてはいけない」と従来から言っていると言った上で、たとえば10ある池のうち、一つくらいバスでもいいといえなくは無いが、これまで日本では「それが絶対守れない」、だから全面的に禁止するしかないといいます。
今回の法律の枠でも、実効性については疑問があるが、それでもちゃんと管理する方向に向かうのではないかという期待があり、だからぜひとも選定して欲しいと主張しました。

次に、近畿大学の細谷委員が意見します。
細谷委員は、生物多様性は広い概念であるので、野生生物や水産業でさえも視野に入れ、個別のものにとらわれた議論はすべlきでないとした上で、強く規制の必要を訴えます。
バスが日本の在来種に影響を与えている理由について委員なりの見解を述べた上で、バスが「負の効果」を「日本の生態系に全部当てはめてしまった」のが現況だという考えを示し、「このような結末ははなからわかっていた」とします。西欧に比べても多様性の多かった日本の水系のうち、特に重要だと考える4水系のうち、西表島以外はすべて「汚染」されてしまったと嘆き、「生物多様性、水産資源に与える影響についてはもう既に言い尽くした」といいます。
そして、「外来種への取り組み姿勢は、その国の文化のレベルを図るよいツール」だというのが世界の認識だとした上で、「我が国が文化国家であるかの踏み絵そのもの」だと言って締めくくりました。

次に、東京海洋大学の水谷委員が意見します。
水谷委員は、肉食性外来魚の社会的評価に30年来関心を持っているとした上で、法律の「生態系」という言葉に異論を唱えます。すなわち、生物群集に対する影響まで「生態系への影響」とくくってしまっていると。
その上で、配布された報告書にある内容について、たしかに埼玉県のあるため池では、生物群集への影響があることを示しているけれども、そうするとこの法律は「明らかになっている小さなため池における生物群集への影響を全国の湖沼の生態系に当てはめようという話」だとし、それははっきりいって「無理です」といいます。
そしてそもそも法律が「間違ってつくられて」しまっていて、「何か間違ったことを言ってもみんなで言えば本当になるみたい」に事態は進行していると主張します。
そして、これまで明らかになっているのはせいぜい小さな湖沼レベルの話で、「全国の湖沼という話ではない」として、地域を限定して規制したり、輸入などを制限するのはともかく「何が何でも全国一匹たりともという話みたいになっていくような対応の仕方は非常に問題が起こるし、法律的にも問題が出てくるだろう」と締めました。

最後に、東京海洋大学の丸山委員が意見しました。
丸山委員は、もう、言う事が残ってないようないようだけれど、と、前置きした上で、この問題は「いろいろな不幸ないきさつがあって、非常に混乱してきている」と言います。水口氏の発言もそうだが、「密放流」や「生態系」という「言葉」をめぐってこういった「議論」が行われてきたが、それから「新しく何が生まれたのかは全然わからない」といいます。
そして、「生態系」というのは、そういう「概念」でとらえれば生物界で起こっていることを、丸ごとに近い形で理解できるのではないかという考えで提唱されているもので、「実在でも何でも」ないから、法律とからめる必要は無いのに、これまで、そういう議論が多かった。非常に嫌だったといいます。
そして、こう結びました。
「今までそういう形で落ちついた話し合いができなかったことを、この場を利用して、本当に具体的に、ただ言い逃れでそういう言葉を利用するのではなくて、今我々が持っている知識をどう生かして、本当にお互いに納得できる情報をどれだけ増やすかという格好で、なるべく具体的にやっていきたいと。それがなかったら、この会議は本当に茶番だと私は思っています。」


.....娘が泣き出しました。すいませんが、今日もここまでで。

(続きます)
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by flight009 | 2005-06-11 10:01 | 連載-民意と官意と大きな声
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