ならば兵庫県知事に聞きたい

石原知事を擁護するつもりはさらさらありませんが、さすがにこの発言はあんまりじゃないでしょうか。

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井戸知事は「阪神大震災の問題は、不意打ちだったということ。犠牲になられた方はほとんどが圧死だった」と指摘。「自衛隊派遣の有無と犠牲者の数は脈絡のないこと。関東大震災に対する備えとして、一番の防災責任者となる知事がそのような認識を持たれているのだとすると、いささか心配」と話した。

自衛隊の出動が遅かった理由についてはいろいろな意見や見方があります。ですが、「自衛隊派遣の有無と犠牲者の数は脈絡のないこと」と、本当に現職の知事が発言したのだとすると、これは由々しき問題です。

阪神の震災直後、自衛隊の出動が遅れたことについては多くの方面から批判が集まりました。当時のテレ朝系のニュースなどでは、自衛隊は大変なバッシングを受けていたのです。ですが、そのベースには「自衛隊が早く出動していればもっと助けられた命があったはず」という認識があるわけで、それ以降、「如何に迅速に、如何に効果的に自衛隊を展開できるか」を、平時から考えておくべし、というのは、阪神で得られた教訓となっているはずです。

自衛隊の出動、特に県からの出動要請が遅れたことについてはいろいろな問題点が指摘されており、単純に当時の知事だけの責任と言い切れない面もあります。ですが、この発言はそれとは次元が違います。「自衛隊派遣の有無と犠牲者の数は脈絡のないこと」と、本当に言ったのであれば、知事の発言は、この「教訓」を完全に否定するものです。

たしかに、「遅くて2000人が死んだ」というのはあまり根拠のある数字とも思えません。なくなった方の8割、5498人のうち4461人が、当日の午前中にはなくなっているので、2000人も助けられたわけが無い、というならそれはそうでしょう。(参考:http://www.hyogo.med.or.jp/EQDOTA.htm)
実際に自衛隊が動いていたとしても、当時の情報収集能力や初動体制が十分だったわけでも無いし、どれだけの人を助けられたのかはわかりません。助けられたのは100人もいるか、せいぜい数十人、もしかしたら数人かもしれません。でも、かけがえの無い命です。少なくとも「脈絡の無いこと」というほど無関係だったとは思えません。

知事の言うとおり、阪神は不意打ちであったことが被害が拡大した一番の理由です。ですが、その責任は誰にあるのでしょうか。東京は、阪神の前から、それこそ何十年も、いつ起こるかわからない大地震を、「必ず起こるもの」として対策してきたし、東京都民はそれなりには構えているといえます。知事に心配してもらわなくても、「不意打ち」を食らうおそれはありません。

兵庫県知事が、そういう発言をするなら、私もぜひ聞きたいことがあります。
「兵庫県南沖地震に対して、備えをしていなかった兵庫県の責任というものを、知事はどうお考えなのでしょうか。」
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by flight009 | 2007-04-10 01:31 | 治安と安全について思うこと
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