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受験生の君たちへ

Excite エキサイト : 社会ニュース

皆さんは、このニュースを聞いてどう感じたでしょう、ものすごい不公平感を感じたでしょうね。公平が一番大事な入学試験で、こんなことが許されていいのかと、憤っている人も多いでしょう。その気持ちは、同じく受験をくぐってきたこのオジサンにもよくわかります。

でも、あえて言います。一秒でも早く忘れてください。

確かに今回のことは不公平なことです。でも、たぶんどうにもなりません。泣こうとわめこうと、点数は変わりません。責任を追及するのは他の人に任せて、忘れてください。
そして、世の中、負けず劣らず不公平なことはいくらでもあります。私の会社の先輩は、あるスポーツ競技で、自分がした技を「審判が」見ていなかったという理由でゼロ点になり、予選で落とされたそうです。でも、その人は審判たちを恨んだりしてません。いや、恨んでいるかもしれませんが、恨んでいるひまに練習し、次の大会に備えてました。この人は、もちろんどんな困難な仕事もやりぬき、みんなに尊敬されています。

今、君たちは試されています。このミスにこだわって、試験を棒に振るか、すっぱりとあきらめて、心機一転、次の試験に挑めるか。

試験とは、必ずしも学力だけを問うものではありません。与えられた課題をどのように解決するか、予期せぬトラブルに出くわしたとき、それをどうして切り抜けるのかも、重要な要素です。そしてその力こそ、将来の君たちにもっとも要求されることなのです。

そして、「あなた方が損をした」のではありません。

今回のミスによりどの程度の人がどの程度の得をしたのか。
読売新聞によれば、問題の教科書で現代文の授業を受けた人は現代文の選択者の8.3%。現代文は選択科目ですから、実際のこの教科書を見た人は実のところそうはいません。仮にこの教科書で勉強した人でも、問題の文で授業をしなかった人も少なくありません。
そして、前に見た文だといってもそれですべての問題を解けるわけではありません。5点も多く取れれば上等でしょう。
冷静に考えれば、ほんの数%の人が数点得をしただけです。

つまりこういうことです。

大多数(たぶん95%以上)の人は皆さんと同じ条件です。むしろ、このトラブルをどう捉えるかが勝負なんです。

このトラブルは忘れて、すっぱりと次の試験に挑める人にこそ勝利の女神は微笑みます。そしてそういう人こそ、社会に出てからも本当に好かれ、尊敬される人なんです。

そして、今度の試験に失敗しても、間違ってもこの事件のせいにはしないでください。この試験を一生引きずって生きてゆくような人は、どのみちろくな人ではありません。

大人になるということの一つが、ここにあります。君は立ち止まらず、君自身の栄光に向かって、再スタートしてください。
by flight009 | 2005-01-17 21:34 | 教育について思うこと
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