数学オリンピックの参加者が、思ったよりも数学に関する仕事についていないそうな。
Excite エキサイト : 社会ニュース 文部科学省科学技術政策研究所は20日、過去に国際数学オリンピックの国内予選で好成績を収めた参加者の調査で、社会人の約38%が「数学の知識を生かす職業に就いていない」と回答したと発表した。 ここで、数学を、野球に置き換えてみましょう。 高校野球で好成績(全国大会出場クラス?)をおさめた生徒のどのくらいが、現在野球に関する職業についているでしょうか。 きちっとした統計は私も知りませんが、調査してみれば、半数ぐらいがまったく「関係の無い」職業についているとしても、あんまり驚きはしないのではないでしょうか。 もっと極論してみましょう。 高校野球で好成績を収めた生徒が、野球とはまったく関係の無い職業に就いていたとして、それを嘆く必要があるでしょうか。そのような場合、彼の「高校野球経験」は、まったく意味の無いものとなるのでしょうか。 もちろん、そんなはずはありません。事細かに申すのもバカらしいので申しませんが、高校野球というものを通して彼が学んだものは、おそらくはどんな社会に行っても役に立つものであるだろうし、その社会(会社や団体)にとっても、おそらく有益なものとなるでしょう。 もちろん、「野球界」という、部分的な「社会」にとっては、その人が抜けてしまうことが「損失」であるかもしれません。松井選手や新庄選手が、野球界に来なかったのであれば、たしかに損失といえるでしょう。ですが、高校球児の半数くらいが「野球界」にとどまらなかったからといって、それをもって、まるで全世界の損失だ、というようなことを言うのであれば、それはどうかしています。 数学だって同じこと。 数学的な「センス」というものは、どのような世界に行っても役に立つものだし、要はその生かし方次第です。むしろ、38%という数字はかなり少ない印象なんですけどね。 今回の「統計」を、どう「利用」するつもりかはわかりませんが、これくらいの「アナロジー」ができなければ、それこそ、数学オリンピック参加者に笑われますよ。
by flight009
| 2006-10-21 13:26
| 教育について思うこと
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